0歳から100歳までの動ける身体をつくる人財を育成する専門学校
  • 高校生の方へ
  • 保護者の方へ
  • 大学生・社会人の方へ
  • 先生方へ
保護者の方へ
資料請求はこちら

セミナー報告の最近のブログ記事

第13回 MNS Holdings seminar 報告

【テーマ】運動器の診かた〜体感する徒手療法編 Part1

【日 時】平成271219-20

【講 師】礒脇 雄一先生(溝口整形外科 理学療法士)

【参加者】36

【報 告】

 今回のセミナーでは鹿児島県の溝口整形外科より礒脇雄一先生をお招きして「運動器の診かた」について講義いただきました.3回シリーズの第1回目は受講生に"体感"いただくことをメインに,徒手療法の原理・原則について伝えていただきました.知識としての情報だけでなく,どのような刺激を?どの程度?どういう方向に?といったライブでしか体感できないものを受講生には体験していただきました.

13-1.JPG



 13-3.JPG


 また,方法(治療)に特化した内容だけでなく,今回のPart1の中では医療の中での理学療法士の役割,医師との関係のあり方,患者さんとの向き合い方など,根本の部分で必要な要素についても礒脇先生の体験談をもとに伝えていただきました.臨床の現場で20年間実践しているセラピストの言葉にはとても重みを感じました.

 

13-2.JPG



 2日目は腰痛,膝痛,肩痛など,実際に症状がある方を患者役として,3人一組で評価・治療の実践を行っていきました.問診,姿勢観察,動作観察,修正後の症状の変化...など,それぞれのグループで患者役に対して行った評価・治療に,講師の礒脇先生であればどのような視点で評価・治療を行っていくのか?ということをデモで提示いただきました.臨床で多くの経験を培い,多角的な視点と介入の手段を持っている礒脇先生だからこそできる内容だと思います.


13-6.JPG



13-7.JPG

 


 「患者が求めていることにシンプルに応える」


 セラピストとして当たり前のことを当たり前に実践する.礒脇先生が積み重ねてきた努力や想いが根本にあるからこそ,患者の求めることに応えられるだけの力を養えるのだと感じました.自身の「解釈」で評価・治療を推し進めるのではなく,客観的に自分を見続けることが結果として対患者との関係においても「事実」を「事実」として認識できる力が養えるのだというメッセージもいただきました.


13-4.JPG 


 診療中にメモを取る,カルテにはその日の所見を必ず記載する...など,面倒な作業でも続けて実践することで,それが自分の力となること,患者の日々の変化から事実をあぶり出すことが出来るようになるということを実践例を交えてお話いただきました.

 

セラピストとして患者が求めていることに応えられるようになるためには,「近道」がないこと,「終わり」がないことを改めて知り,そんな「想い」の部分でも力をいただいた2日間になりました.

 

13-5.JPG  

 全国を飛び回って講演活動(社会活動)をされている礒脇先生ですが,セミナーの内容もさることながら,個人的には明日からの臨床で「やってやろう!!」という気持ちをもらえることに礒脇先生の人気の秘密があるのだと感じました.礒脇先生が積み重ねてきた20年の経験を一回のセミナーを受講してすぐに体現できるようになるわけではないのですが,「想い」の部分ではすぐにでも実践(模倣)できることがあることを受講生の皆さんも感じたようです.

 来年5月21-22日にはPart2を,9月10-11日にはPart3を開催予定です.より局所に絞った内容でお伝えいただく予定ですので,Part1に参加できなかった方もぜひご参加ください.臨床のヒントとともに礒脇先生が臨床と向き合うパワーも与えてくれますよ!

(文責:田中 創)

九州医療スポーツ専門学校 第二回教育フォーラムを開催しました!

12月5日(土)、第二回となりました教育フォーラムでは、『野球』をテーマに医療、プロスポーツの面から教育、指導について講演していただきました。


第一部『肩・肘の投球障害~発見・診断・治療~』
北九州市立医療センター整形外科医 主任部長 西井 章裕氏


西井先生には野球選手に多くみられる肩と肘の怪我についてご紹介いただき、その後どのように治療をしていくのか?
また、怪我をしないようにどのように予防をしていくのか?という点について分かりやすく説明していただきました。その中でも特に印象に残ったのが、肩と肘に痛みが出るのは「結果」であって、そこに負担をかけている「原因」を見つけていかなければいけないという点でした。そのために西井先生は診察の中でも前屈動作などで全身の動きの確認をしたり、下半身の柔軟性や筋力もチェックされているとのことでした。怪我をしているところだけを診るのではなく、選手一人一人の特徴的な状態から怪我につながる原因を見つけていかれる診察の様子を伺い、まさにプロフェッショナルな仕事であることを認識しました。
また、西井先生は原因を見つけたら終わりではなく、なぜ怪我をしてしまうのか?なぜ痛みが出るのか?という点を選手(患者)自身に気づいてもらい、それを変えていくための方法を的確に伝えられていました。

スクリーンショット 2015-12-07 16.47.11.png


第二部『達成と育成を創り出す~最強組織の作り方~』
北海道日本ハムファイターズ一軍内野守備走塁コーチ兼作戦担当 白井 一幸氏


2部の「達成と育成を創りだす 最強チーム作り方」は、2014年 より北海道日本ハムファイターズ 一 軍内野守備走塁コーチ兼作戦担当を任されている日本ハムファイターズの白井コーチの講演でした。

どうしたら「やる気を持って頑張ることができる人を育てられるだろう。」指導者の方々の共通の課題を指導者目線ではなく「指導を受ける側の心理」「チーム全体がビジョンをもつことの大切さ」を中心に命令や指示、恫喝では選手は 成果を出せない、ミスをしたときこそ最高の励ましがモチベーション向上につながるとお話くださりました。また、選手や部下が「自ら考えて行動するようにする」ために指導者としてどのような関わり方をしていくと効果 的なのかその指導方法など、参加者を巻き込んだ巧みなトークで、場内が笑いに包まれる場面も多く楽しく学べる時間でした。

スクリーンショット 2015-12-07 16.48.28.png

第12回 MNSホールディングスセミナー報告

【テーマ】胸郭の機能障害に対する理学療法:講義編~高齢者の胸郭の機能障害と理学療法~

【日 時】平成271129

【講 師】田中 先生 城内 若菜 先生 梅田 泰光 先生

【参加者】45

【報 告】

 今回はメディカルプレス発刊の月刊誌である「理学療法」の中で,高齢者の胸郭の機能障害と理学療法を執筆された3名の先生をお招きしてセミナーを開催いたしました.

 

 はじめに九州医療スポーツクリニックの田中先生に高齢者の胸郭の機能障害について,関連する文献等を提示いただきながら分かりやすく「概論」を伝えていただきました.ロコモティブシンドロームに代表されるように,加齢に伴う変性疾患は独立したものではなく併存するものであるため,胸郭単体で捉えるのではなく,身体全体としてみていく必要性について説明いただきました.

 

12-4.jpg


 その後,成尾整形外科病院の城内先生に具体的な胸郭の「評価」について実技を交えながらお伝えいただきました.今回は講義編として開催しているため,実技にあまり時間を割くことはできませんでしたが,臨床に活かしていくためのエッセンスを分かりやすくお伝えいただきました.

12-5.jpg 


 城内先生は海外でのセミナーの受講や英文の翻訳をされていることもあり,和文の論文だけでなく海外の論文を多数提示いただいたり,ご自身が海外で経験されたことなども交えてお話しいただき,幅広い視点で評価を行っていく必要性を感じました.

 

 午前中のお二人の話を踏まえて,午後からは筑後市立病院の梅田先生に胸郭の「治療」について講義を行っていただきました.ここでは治療の方法論もさることながら,なぜその治療を選択するのか?という部分の重要性を改めて評価の視点から伝えていただきました.


12-1.jpg

 

 梅田先生が評価の中で素早くポイントを絞り込んでいく過程とそれに対してどのような治療を施していくのか?という点を,デモンストレーションを交えて具体的に説明いただき,明日からの臨床でのイメージが大きく膨らむ時間となりました.


12-3.jpg 

12-2.jpg



 今回は「講義編」として座学を中心としての開催となりましたが,来年の夏頃に「実践編」として実技を中心としたセミナーを開催予定です.今回学んだことをベースに胸郭の機能障害をどのように見出していくのか?また,それに対してどのように介入していくのか?という視点をグループワークで学んでいきます.今回ご参加いただいた方にも,そうでない方にも臨床に活かしていただける良い機会になると思いますので,多くの方のご参加をお待ちしております.

第11回MNSホールディングスセミナー報告

【テーマ】研究と臨床の融合:運動器疾患における疼痛の捉え方

【日 時】平成271121

【講 師】森岡 周先生(畿央大学) 平川 善之先生(福岡リハビリテーション病院)

【参加者】115

【報告】

 今回は運動器疾患における疼痛の捉え方について森岡先生と平川先生に講義を行っていただきました.サブタイトルにもあるように,「科学的思考の用い方と臨床意思決定のプロセス」について,森岡先生には科学的見地から,平川先生にはその臨床応用について講義を行っていただきました.

 

 森岡先生には疼痛を捉える上での最新の知見や情報をご提示いただきました.運動器疾患における疼痛の捉え方であるため,運動器に対する知識はもちろんのこと,それを前提に情動的側面や認知的側面など痛みを多面的に捉える必要性について説いていただきました.


11-1.jpg 


 痛みはなぜ主観的であるのか?痛みの性質の時間的変化,慢性痛と脳機能の問題,慢性痛に対する神経科学的な治療モデルの世界的潮流,報酬系,痛みの制御,社会的な痛み,痛みの意義,身体イメージの変容,中枢神経系における情報の整合性...などなど,痛みを捉える上での多くのヒントをいただきました.

 

11-2.jpg


 午前中に得られた情報をどのように臨床に応用していくのか?この視点がとても重要になります.午後はその点について平川先生に講義を行っていただきました.実際の症例や臨床での取り組みをもとに多角的な視点をご提示いただきました.セラピストの主観だけでなく,患者目線に立つことの必要性を改めて感じることができました.

 

 お二人の講師の講義のあとは臨床での取り組みについて2名の先生に発表を行っていただきました.野崎先生(福岡志恩病院)には肩関節腱板術後の取り組みについて,岩坂先生(副島整形外科病院)には疼痛で難渋した症例について発表していただきました.症例をベースに検討していくと,その捉え方の多面性について気付かされます.多くの視点があり,その振り幅が狭くならないように,症例自身が求めていることに応えていく,その視点を忘れないよう取り組んでいきたいと個人的には感じる時間となりました.

11-3.jpg


11-4.JPGのサムネール画像


講師の森岡先生,平川先生,症例発表を行っていただいた野崎先生,岩坂先生,ありがとうございました.またご参加いただいた受講生の皆さまもありがとうございました.

センスアップセミナー 最終回

【テーマ】センスアップセミナー ブラッシュアップバージョン 第4

【日 時】平成27926-27

【講 師】山口 光國 先生(セラ・ラボ代表)

【参加者】25

【報告】

 1年間を通してシリーズで行ってきたセンスアップセミナーですが,その集大成はこれまでのセミナーを通して学んできたことをアウトプット(発表)する場です.どれだけインプットを通して学んでも,言語化(実践に落とし込む)できなければ理解レベルで終わってしまい,実践レベルまで到達させることができません.そういった意味からも当法人で実施したセンスアップセミナーでは,最終的に受講生に発表いただくことを条件として実施しました.

 

sense1.jpg


 症例を通して疑問に感じていること,悩んでいること,自身の臨床での取り組みなど,受講生のカラーが出た様々な発表を聞くことができました.


sense3.jpg


 それぞれの受講生の発表に対して山口先生の鋭い突っ込みが入ります.同一の発表を聞いた際に山口先生がどのように解釈しているのか?その視点を聞くところにこの発表の醍醐味があります.山口先生はその症例が出しているサイン(事実)を見逃さずに,そこを掘り下げていきます.どう解釈するか?が大切ではなく,患者さんが実際に出しているサイン(事実)から掘り下げていく作業です.


sense2.jpg 

 

 受講生の発表のあとは山口先生による本セミナーの統括を行っていただきました.定型的技術と適応的技術をテーマに1年間の集大成の講義を行っていただきました.

 

 正解が用意されている定型的技術,正解が用意されていない(その都度対応の変化が求められる)適応的技術.前者はわれわれ医療者にとっては「命を守る(リスク管理)」ことであり,後者はそのような中での臨床における臨機応変な対応に置き換えられるかと思います.ただし,Artな要素が強い適応的技術を実践していく上でも「知識」が必要であることを前提条件としてお話しいただきました.

 

 そのような中で答えが用意されているという前提の解釈の中で「探す」という行為ではなく,「考える」ことの必要性を改めて説いていただきました.「考える」とは「視点を変えること」,そして考えるためには「言語化」することが重要であることを伝えていただきました.

 

 誰もが自身の成長を望み,日々葛藤していると思います.その中で「できるようになる」ことは通過点でありゴールではないこと,「できることを考える」とは,「関係の中で生かしてあげること」を指し示していただきました.エビデンスは従うものではなく,利用するもの.そして,嫌な事も,言葉も生かしていくこと...


 

 アメリカの神学者であるラインホルド・ニーバーの「ニーバーの祈り」より...

 

 神よ

 変えることのできるものについて,

 それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ.

 変えることのできないものについては,

 それを受けいれるだけの冷静さを与えたまえ.

 そして,

 変えることのできるものと,変えることのできないものとを,

 識別する知恵を与えたまえ.

 

 ニーバーの祈りの引用より,識別する知恵そのものが,今回のテーマである「考える力」であること,そのためには「言語行動」が重要であることを最後に伝えていただきました.そして,言語行動を実践していくためのポイントは関係の中での「派生」と「類推」であることをメッセージとしていただきました.

 


【派生】ある源から別の物または事が枝分かれして生ずること

 

【類推】類似の点をもとにして,他を推しはかること

論理学で,2つの事物の間に本質的な類似点があることを根拠にして,一方の事物がある性質をもつ場合に他方の事物もそれと同じ性質をもつであろうと推理すること.結論は蓋然的.類比推理.類比.比論.アナロジー.

 

(文責:田中 創)

スポーツアロマケアセミナー

【テーマ】スポーツアロマケアセミナー 3回シリーズ

 

【日 時】平成2793, 10, 17

 

【講 師】宮脇 先生(Rooty)

 

【参加者】63名(延べ)

 

【報 告】

 今回は大阪より鍼灸師,スポーツアロマケアトレーナーである宮脇先生をお迎えして「スポーツアロマ」をテーマについて学びました.遅い時間からの開催にもかかわらず,現職の鍼灸師やスポーツアロマに興味を持った九州医療スポーツ専門学校の学生が多く参加されました.

スポーツアロマ3.jpg 

スポーツアロマ1.jpg



 3回シリーズでフットケア,フェイシャルケア,ヘッドケアについて学びました.あまり馴染みのない分野ではありましたが,引き出しの一つとして備えておくことで,様々な効果を期待できる手技であることを実感しました.短い時間の中ではありましたが,参加者も楽しみながら多くのことを学んでいるようでした.

 

スポーツアロマ2.jpg

 


スポーツアロマ4.jpg


 宮脇先生には非常勤講師としてお越しいただいたにも関わらず,その合間の時間を用いてセミナーを行っていただき感謝しています.今回の参加者からはぜひゆっくりと時間を割いて学びたいという声が多数上がっていましたので,またの機会にセミナーを開催させていただきたいと思います.

発達障害と不器用さ〜相互の行動変容に向けて〜 イントロ

【テーマ】発達障害と不器用さ〜相互の行動変容に向けて〜 イントロダクション

【日 時】平成27年7月19日(日)

【講 師】中尾 繁樹 先生(関西国際大学 教育学部教育福祉学科 教授

【参加者】32名

【報 告】

 中尾先生による「発達障害と不器用」をテーマにしたシリーズ(全8回)のセミナーがいよいよ始まりました.初回はイントロダクションとして,発達障害とは?不器用とは?というテーマでご講義いただきました.

IMG_4605.JPG



連休の中日にも関わらず,保育士,小・中・高の教員,専門学校の教員,理学療法士,作業療法士,言語聴覚士...など,多種多様な立場の方に数多くご参加いただきました.このようなセミナーを通して,地域のネットワークが広がっていくことも期待しています.


IMG_4609.JPG


中尾先生の講義は理論や方法論ありきではなく,目の前の人のその現象は"なぜ"出現しているのか?"どうして"そのような行動を取らなければならないのか?といった「現実」を通しての「本質」を問うものが多く,自身の経験との対比をしている間に3時間という時間がアッという間に過ぎていきます.


かと言って,理論や方法論を軽視しているわけではなく,そういった根本のコンセプトを押さえつつ目の前の方との経験を積まれているからこそ,多くの方がその内容に魅かれるのだと感じました.

IMG_4603.JPG


IMG_4608.JPG


笑いや運動を取り入れて楽しく講義をされたり,臨床事例を通してその本質を問う講義をされたり,メリハリのある講義で終始和やかな中にも多くの考えるキッカケを散りばめていただく時間となりました.


個人的には,様々な可能性を秘めた対人関係だからこそ,その関わりや支援の方法一つで,対峙している方のその後を大きく左右し兼ねない仕事に関わっていることを改めて自覚させられる時間になりました.教育者という立場として,セラピストという立場として,親として,地域に関わる1人の人間として...


IMG_4610.JPG


今回,中尾先生とともに公益財団法人日本健康スポーツ連盟で「生涯スポーツトレーナー教本」を書かれている油谷信隆先生がたまたま別のセミナーの講師として九州医療スポーツ専門学校に来られており,奇跡の2ショットを撮ることができました(左:油谷先生 右:中尾先生).


中尾先生はこの教本の中で子どもの分野を,油谷先生は高齢者の部分をそれぞれ分担執筆されています.お二人ともに非常に魅力のある先生で,共通しているのが「人」を観ているところです.身体を通して心を,心を通して身体を...表現の方法は違えど,根っこの部分はとても共通した「想い」を持っておられると感じました.とても貴重な時間となりました.



今回の中尾先生のセミナーはイントロダクションとして,次回からのシリーズに繋がる内容で講義を行なっていただきましたが,今後の内容はスポットとして部分参加いただくことも可能ですので,ご興味がある方はぜひお越しください.以下のページからお申し込みを受けております.

http://www.kmsv.jp/skillup/201507_201602.php



(文責:田中 創)

特別セミナー(最先端のスポーツ医学)

【テーマ】最先端のスポーツ医学〜自律神経へのアプローチ〜

【日 時】平成27年6月18日

【講 師】末武 信宏 先生(さかえクリニック 院長

【参加者】50名

【報 告】
 この度,愛知県名古屋市のさかえクリニックより末武先生をお招きして特別セミナーを行っていただきました.当日は理学療法士や柔道整復師,鍼灸師,アスレティックトレーナーの学生など,スポーツ現場に携わる方々にご参加いただきました.

末武先生は医師でありながら,スポーツトレーナーとしても活躍されている先生で,多くのトップアスリートに支持されている方です.

末武先生①.JPG


スポーツ業界に限ったことではありませんが,対選手,対患者の関係においてはその個人(治療者,トレーナー等)の主観に依る理論や実践を行っているのが現状だと思います.それ自体はとても重要なことである一方,今後はスポーツトレーナーも客観的な指標を基に現場に携わっていくことが必要であることを末武先生から熱くご講義いただきました.


アート(感性)な部分を大切にしながらもそれをサイエンス(科学)に落とし込む.
それを体現するために末武先生が関与して設立されたのが,「一般社団法人 先端医科学スポーツアカデミー(Advanced Medical Sports Academy:AMSA)」です.

2020年に東京オリンピック・パラリンピックが開催されることが決定しましたが,各競技や選手を取り巻く環境は必ずしも充実しているとは言い難い状況です.そのような中で,選手や指導者を育成する場,それも単に個人の主観によるトレーニング法やケア法ではなく,種目の枠を超えてアスリートやコーチ・トレーナーが「医学的根拠」に基づいたトレーニング法などを教育・指導できる環境を整えるために設立されたのがAMSAです.

amsa_topimg-670x300.jpg



その医学的根拠を示していくための指標の一つとして末武先生が着目されているのが「自律神経機能」です.高いレベルでパフォーマンスを発揮するトップアスリートは,自律神経機能も高いレベルにあるということでした.逆に,練習ではハイパフォーマンスを発揮できるものの,本番になると思ったようにパフォーマンスを発揮できないといった類の選手においては自律神経機能が低い,もしくは交感神経と副交感神経のバランスが破綻しているということを教えて頂きました.この自律神経機能の低さは競技のパフォーマンスだけでなく,様々な疾患を予測する指標としても用いる可能性が感じられました.



ibs_02.png


耳たぶにセンサーを付けて5分間計測を行うだけで,その時の自律神経の状態をチェックすることができます.HRV(心拍変動解析)から自律神経の状態を導き出します.
九州医療スポーツ専門学校でもその機器を導入しましたので,今後スポーツに限らず様々な場面で用いて客観的な指標を確立していきたいと思います.

自律神経測定システムの詳細については下記をご参照ください.
http://www.atlantic.jp/lp-ibs/



座学での講義を終えた後は,実践の一部をご紹介いただきました.

末武先生②-thumb-600x450-2000.jpg


わずかな力で相手を動かしたり,自分よりも大きい相手を圧倒したり...
身体のメカニズムを知っているだけで,驚くような結果が出ることを実践を通して教えていただきました.

摩訶不思議な現象を目の前で見せつけられ,参加者の頭の中は???
この詳細については,ぜひ「実践編」の講義を行って頂きたいと思っていますので,その際にはまた皆さんにもアナウンスさせていただきたいと思います.



末武先生③.jpg


1時間という短い時間ではありましたが,「最先端のスポーツ医学」というテーマにふさわしい濃い内容をご紹介いただきました.日々,当たり前のように実践していることが当たり前ではないこと,感覚に依存していることを形に落とし込んでいくことの重要性,医師である末武先生だからこそ響くメッセージがたくさんありました.


最後に...「私はカリスマではありません」
講義の最後に末武先生が仰られた言葉です.

十分にカリスマ性を備えた先生であることは短い時間を通して感じました.なんでそんなことを言われるのかとその時は思ったのですが,末武先生のような考え方,実践力を持ったトレーナーがこの世の中に増えることのほうが「スポーツ業界」にとっては大きな意味があることを後々になって感じました.後進育成への想いを持ち,尽力されている末武先生の背中から色んなことを感じ,考える貴重な時間となりました.

また,実技編という形で末武先生のテクニカルな部分をご紹介いただけるようなセミナー等も企画していきたいと考えております.その際には,また多くの方々にご参加頂けましたら幸いです.以下,講義中に先生がご紹介された関連する団体のHPを掲載しておりますので,ぜひご覧いただけたらと思います.


【関連HP】
さかえクリニック HP http://www.sakae-clinic.com/
一般社団法人 先端医科学スポーツアカデミー(AMSA)」 HP http://amsa.jp/
トップアスリート株式会社 HP http://www.topathlete.co.jp/



(文責:田中 創)


第8回,第9回セミナー

【テーマ】皮膚運動学の臨床応用〜講義編・実践編〜

【日 時】平成27年5月23日〜24日

【講 師】福井 勉 先生(文京学院大学 保健医療科学研究科 教授 理学療法士 医学博士

【参加者】115名

【報 告】
 第8回, 9回となるMNS Holdingsのセミナーは両日含めてのべ115名の方々にご参加いただきました.今回は福井先生が取り組まれている皮膚に対するアプローチを,体系付けてご講義いただきました.

8-9.jpg

開始早々,アッという間に福井ワールドに引き込まれます.
講義→実技→講義→実技→講義...
目まぐるしく展開されていく内容に,頭と身体をフル回転させながら,参加された皆さんは熱心に実技に取り組まれていました.

8-1.jpg


8-2.JPG


皮膚の走行を考慮してわずかなタッチ(刺激)を入れるだけで,関節運動(身体運動)に大きな変化がみられることを福井先生のデモを通して体感しました.
そして,その理論を実技の中で受講生同士で確認するのですが,あちらこちらから「おーーー!!!」という感嘆の声が上がります.

8-3.jpg


8-6-thumb-600x450-1944.jpg

九州医療スポーツ専門学校の鍼灸学科教員のエース!!宮原先生も受講!
鍼灸のアプローチにも応用できる大興奮でした!!!


8-4.jpg


こちらはマッチョマンを発見したので,ベストボディにスカウトしてきました!!
素晴らしい肉体!!
ちなみに,ベストボディ・ジャパンの公式HPはこちら↓
http://www.bestbodyjapan.com/



福井先生の講義の魅力はこれだけではありません.

8-8.JPG


一瞬にして聞く者を虜にするカリスマ性と懐の深さ,そして人間の大きさ...
福井先生の魅力は言葉では言い表せないものがあります.

教育者,臨床家,研究家
様々な顔を持ちながらも,すべてのことに対して熱心に,一生懸命に取り組まれる姿勢そのものが多くのセラピストの心に響くのだと思います.

講義の最後のほうでは,参加者が主体的に実技に取り組まれている姿が印象的でした.
人間の身体の奥深さや変化を目の当たりにすると様々な探究心が生まれてきます.
参加者の主体性(行動変容)を促すところまで落とし込む(自然にそうなる!?)福井先生の魅力はこういったところにあるのだと思います.


そして,講義の最後には「特別授業」も行なっていただきました.

8-10.jpg


自分を成長させるために,どのように取り組んでいけばよいか?
実は,この部分が福井先生の講義の真骨頂とも言える部分です.
私自身も福井先生の言葉に何度も助けられてきました.

やるかやらないか.
想ったことを行動に移すだけですね!!
行動の指針だけはぶれないように...

福井先生,2日間にわたりありがとうございました!!
たくさんの元気をいただきました!!!

(文責:田中 創)

第7回セミナー報告

【テーマ】多様な視点から運動器疾患を捉える~過去・現在・未来~

【日 時】平成27年4月25日〜26日

【講 師】
石井 慎一郎 先生(神奈川県立保健福祉大学 保健福祉学部 教授 理学療法士 保健医療学 博士)
田中 創 先生(九州医療スポーツ専門学校,九州医療スポーツクリニック 副院長) 
吉住 浩平 先生(福岡志恩病院 リハビリテーション部 主任) 
多々良 大輔 先生(福岡志恩病院 リハビリテーション部 部長)

【参加者】240名

【報 告】
 第7回となるMNS Holdingsのセミナーは県内外より240名の方にご参加頂き,大盛況ののちに開催されました.今回のセミナーに対する期待が伺え,講師陣も程良い緊張感のなかで話を進められているようでした.

7-3.jpg


今回は,ホールディングスのスタッフがセミナーを振り返り,各講師に対してそれぞれの視点からレポートを作成しました.

7-1.jpg


<石井 慎一郎先生の講義>

「バイオニクス」×「運動器疾患」という題材で、今回は、「二本の足で歩くこと」を

テーマに、石井慎一郎先生が過去から現在にかけ、研究・経験されてきたことを講義して頂きました。

 二本の足で歩くことで、そこに起因して起こる現象を臨床でもよく目にします。

「二本の足で歩く」ということは、どのようなことが身体に起こっているのか。

人類の進化の過程の中で適応するために変化してきた機能解剖学的な面、直立二足歩行になり、エネルギー効率がよくなった歩行の中でどのような運動が起こっているのかといった力学的な面をわかりやすく話して頂きました。

 また、動こうとする際に、動作に先行して起こるvertical extensionの重要性や重心移動・位置、セラピストの誘導方向や声掛けなど、ポイントとなる部分では、デモンストレーションを通して、解説して頂きました。

 今、臨床でみている患者様の歩行が本当に合理的で効率的な歩き方なのか。歩行は、完璧に制御された不安定性があってからこそできる。という、先生の言葉に、安定性ばかりを求めてしまい見失っていたことがあることに気付かされました。

 人類の進化の過程まで遡り、そこから導きだされたリーチ動作のトレーニングなど、歩行動作をバイオメカニクスという視点から話される先生の講義は、歩行だけではない日常の動作に繋がることも多く、とても勉強になりました。

 先生方が過去の経験を経て今回講義して頂いたことを、明日からの臨床に自分たちがどのように活かし体験していくのか、これからの臨床が楽しみになる講義でした。

ありがとうございました。

7-2.jpg



<田中 創先生の講義>

2人目の講師は九州医療スポーツクリニック副院長である田中創先生に『運動器疾患×運動連鎖』というテーマでデモンストレーションを交えながら講義をしていただきました。

 

まず最初に運動連鎖とは何かを運動力学、運動学の視点からお話ししていただきました。CKCOKCでの動きの考え方、関節内での相対的な動きの考え方など目に見えない部分をどう評価し考えていくのかという必要性も改めて考えさせられました。

 

末梢の動きが中枢へ及ぼす影響、下肢だけでなく胸郭や上肢までどう影響するのか、それを治療にどう活かしていくのかデモンストレーションを交えながら行うことで実際にイメージがしやすかったのではないかと思います。

対象者にとって意味のある課題を用い評価、治療を進めていく点や前後の変化を見極める能力を身につけなければならないと感じました。

現場での物事の考えかたを変えるヒントになったのではないかと思います。

知識を知恵に変える、最も重要であり最も難しいことであると思います。勉強会や書籍、インターネットから様々な情報を収集することができます。収集して終わりではなく、それらから学んだ知識を自分の臨床にどう落とし込んでいくか、ということがとても重要であると感じました。


7-4.jpg



<多々良 大輔先生の講義>

なぜか引き込まれているプレゼンテーション。たくさんある知識・技術の中で、先生がまさに選択した内容は経験の若い僕らにとって、道しるべとなるべきものがたくさんあるからなのだろうと思います。
また、表現に気をつけ、言葉に気をつけている箇所が何度も見受けられました。これも先生の中での情報の取り方を気をつけている結果でもあると思います。
講義の内容は①過去・未来・現在②リスク管理③クリニカルリーズニング④関節適合性⑤機能障害の絞り込み⑥case studyにわけて話をされていました。

①過去・未来・現在
 過去を振り返って、昔は知識を収集(Collection)すればよかったが、今は情報を選択(selection)する時代になってきたという話から始まりました。
情報が大量にある今の時代にその情報をどのようにとっていくべきかセンスだけではなく、組織の中で選ばれるセラピストにならないといけません。
それは、いわゆる職人の方々がつくられるような作品ではなく、患者さんから選ばれるような品質を意識したものを地域に提供できるのかで決まって来ます。
そのことから言えば、患者さんに説明できるだけではなく、経営者であるDrにたいしてプレゼンテーションできなければなりません。
 簡単ですが、それを実際にやられていることは講義中にはでていないたくさんの試行錯誤があったらこそたどり着いたものであると思います。

②リスク管理
 変形性膝関節症の方に対して、「よくなるかどうかはわかりませんが、大腿四頭筋の筋力をつけていきましょう」という説明では患者さんもやるはずがありません。運動を提供するためには知識も必要であって、回復をさまたげないリスク管理も必要です。
先生は講義の中で「リスク管理=自然治癒能力↗︎×誤用症候群↘︎」ということを脳卒中の肩関節について説明をされていました。
悪くならないことを前提に考えるからこそ、患者さんをいい方向に導くことができるのだと思います。

③クリニカルリーズニング
 患者さんの自己効力感をいかに強化していくか、対象者の方との共同的推論の中で共有していくこと。それは評価を測定ではなく、検査まで引き上げること。
つまり、出ている現象をなぜそうなっているのかを考える。
骨関節系の問題にとどまらず、多角的な視点で考えていくことが必要だと言われていました。

④関節適合性、機能障害の絞り込み
 結果として起こっている問題をどのように解釈するのか、デモンストレーションをしながら伝えていました。
膝蓋骨の傾きが結果として外側に傾斜すること(外側広筋・大腿筋膜張筋・大腿二頭筋)で痛みが出ている方に対して、単純に緩めることがいいのかどうか説明しながら行われていました。

⑤case study
 下腿までしびれがあった症例の方に対して、様々な徒手検査、文献の知識を解釈し、治療としてどのように行っていたったのか説明をされていました。
圧倒的な考えの深さに始めて聞いた方はびっくりされたことと思います。聞いたことのない方は、ぜひとも実際にどのように考えているのか一度見て頂きたいと思います。

7-5.jpg



<吉住 浩平先生の講義>

 吉住浩平先生が徒手理学療法を通じて,数々のインスピレーションを受けた先生方の紹介から始まり,Synergy勉強会の発足に至ったエピソードから仲間との出会い,そしてこれからの未来像からお話ししていただきました.吉住浩平先生の人柄を感じさせていただける内容で思わず聞き入ってしまいました.今回のテーマは股関節ではなく, 運動器疾患を神経系機能からとらえた視点でご講義していただけました.

 神経系の機能解剖からニューロダイナミックテスト等の評価,神経モビライゼーションを用いた治療実技までご教授いただきました.神経組織は身体運動に伴い緊張したり,周辺組織に対して滑走したりといった機械的機能を有しており,運動器の理学療法において神経組織の機械的機能が障害されることによって,疼痛やしびれなどの症状の原因となることがある.神経の機械的機能のみならず循環等の生理学的な機能を再建していくことが重要であることを知りました.

 神経根圧迫由来による疼痛発生メカニズムでは,病変の無い神経根への圧迫では疼痛は惹起されず,圧迫の程度や時間,化学物質による刺激や炎症を伴うことで神経根疼痛が惹起されるということ知りました.神経動力学的な視点を取り入れて介入していくことが重要であると知りました.椎間板ヘルニアや頚椎症性神経根症の除圧後で,筋力低下のみならシビレや感覚障害が術後思うように改善しない患者様の一助となるアプローチではないのかと感じました.

 神経系動力学的視点を知ってうえで治療介入をおこなうことで,また違った捉え方ができるのではないかと思います.神経系機能障害は改善が難しいと思われていることが多い病態と思いますが,改善できる可能性がある限り勉強する必要性が高いと思いました.最後に,セミナーに参加できとても有意義な時間を過ごすことがでした.また次回参加させていただきたいと思います.

7-6.jpg


2日間を通して運動器疾患をトータルな視点で捉えるきっかけを頂けました。
学んだことを自分自身の体験に変えていけるように臨床に取り組んでいきたいと思います。

なお,今回のセミナーは(株)ジャパンライムの協力を得て撮影していただきました。
セミナーの様子が近日中にジャパンライムのHPに動画のコンテンツとしてアップされると思いますので,そちらもお楽しみにして頂けたらと思います。

ジャパンライム HP
http://www.japanlaim.co.jp/



(文責:MNS Holdings 運営スタッフ)

2015年12月

    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

最近の写真

  • 13-5.JPG
  • 13-7.JPG
  • 13-6.JPG
  • 13-4.JPG
  • 13-3.JPG
  • 13-2.JPG
  • 13-1.JPG
  • IMG_0185.PNG
  • IMG_0180.JPG
  • 馬原選手2.JPG